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目次
▶「セン無50規制」とは何か ▶「セン無50規制」が生まれる背景 ▶「セン無50規制」に認定される条件 ▶イリュージョン系「セン無50規制」 ▶都道府県別「セン無50規制」の現存状況 -
1. セン無50規制とは何か
日本にある50km/h規制の道は、大抵4車線だったり、田舎の2車線道路でもそこそこ立派か車通りの多い道だったりする。 しかし、こんな道はどうだろうか。 先が狭いのに、2枚上の立派な道路と同じ50km/h規制だ! そう思ったアナタは鋭い。
『センターラインが無く50km/h規制の道路』。これを略してセン無50規制(せんむ-ごじゅう-きせい)と呼ぶ。なお、これは管理人が造った造語である。 -
2. 「セン無50規制」が生まれる背景
センターラインが無いのに50km/h規制の道路が生まれる背景には、以下のようなものがある。①「ちょっとだけ狭くなっちゃった」パターン
前後は普通の2車線道路だが、橋が少し狭かったり交差点の手前だけ少し狭かったりで、そこだけ中央線が引かれない場合がある。しかし、途中で制限速度を変えず、全線を一律で50km/h規制に指定したりすると、狭くなった箇所にセン無50規制が生まれるのだ。
セン無50規制と呼んでいる道路の多くは、基本的にこのパターンである。
【レア度:★】②「50km/hでも充分安全」なパターン
周りに何も無い無人地帯や、堤防の上などで線形や見通しが良く、道幅も普通車がスムーズにすれ違える程度の幅で、警察が満を持して50km/h規制に指定したと思われるパターンだ。往々にして50km/hでも遅く、地元車が70km/h以上で走っている事も少なくない。
なお、北欧には中央線が無いのに90km/h規制の標識が設置された「セン無90規制」が当たり前のようにある。
【レア度:★★】③「その道路の実情に合わせた」パターン
②のパターンより少し走りづらいが、車が実際に流れているスピードを適用し、50km/h規制に指定したパターンだ。地元車でも50km/hを大幅に超過して走ることは少ない。規制速度が規制速度として機能しており、ある意味望ましいといえる。
だが、同じような規格の道路が他では大抵40km/h規制だったりするため、前述の2つと比べて発見がより難しくなる。中には、中央線が無いまま40→50km/h規制へ引き上げられたレアケースも!
【レア度:★★★】④規制理由が全く謎なパターン
前述の3つは、いずれも50km/h規制に指定されている訳が理解できる。日本に存在する「セン無50規制」の殆どは、この3つの内のどれかだ。
しかし、極稀に、本当に「なんでこんな道が?!」と思ってしまう道が50km/h規制に指定されていることがある。
その多くは延長が短く、①と混同しがちだが、①との違いは規制速度を落とすべきポイントが明確なのに、その先も50km/h規制のままであることだ。
都会基準で「50km/h規制の道路は立派な道だ」と思って走ると、思わぬしっぺ返しを食らう可能性がある。
【レア度:★★★★★】 一口に「セン無50規制」と言っても、その成り立ちは様々であることがお分かりいただけただろうか。
セン無50規制としては、番号が大きくなるにつれて徐々に「格」が高くなる。④が最高グレードだ。
③や④ともなると、日本広しと言えど、容易に見つける事は不可能に近い。 -
3.「セン無50規制」に認定される条件
セン無50規制に認定される条件には、主に以下の3つである。それは、
1. 中央線が無いこと
2. 50km/h規制であること
3. 対面通行であること
である。一つずつ簡単に解説すると、
① 中央線が無いこと
左写真のように、センターラインが引かれていなければ、幅は関係ない。だが、中には判別が難しい場合もある。
右写真の黄枠の中をよく見て欲しい。一見、中央線が消えているように見えるが、実は掠れて消えかかっているだけなのだ。この場合は2車線道路とみなし、セン無50規制には認定されないので要注意だ。 また、次の写真のように元々は中央線があったものの、舗装改修などで路面が新しくなった後に中央線が引かれなかったケースもある。これはOKだ。② 50km/h規制であること
これは、セン無50規制の基幹を成すのだから当たり前だ。50km/h規制でなければ、当然セン無50規制ではない。
しかし、都道府県によっては、センターラインが無く40km/h規制の「セン無40規制」や、中央線が破線の対面通行で50km/h規制の「白破線50規制」、片側1車線の一般道で60km/h規制の標識がある「2車線60km/h規制」が珍しい場合もある。これらは、セン無50規制ではないものの、私の収集している道路の一部である。 (写真)類似した別の収集対象
③ 対面通行であること
意外とよく見落とされがちなのが、この条件だ。一方通行であれば、中央線が無いことは何ら珍しくない。セン無50規制は、対面通行であるからこそ、その珍しさが光るのだ。 上の2枚は、いずれも1車線の一方通行道路であり、セン無50規制には含まれない。 -
4. イリュージョン系セン無50規制
様々な特徴をもった「セン無50規制」がある。
①とにかく狭い「セン無50規制」
愛知県で唯一発見されているセン無50規制道路だが、とにかく狭い!
とは言え狭いのは写真の範囲のみでその先はすぐに2車線となっており、反対側から来ると狭くなる前に50km/h規制が終わっている。
非常に狭いと共に、片方向だけの世にも珍しいセン無50規制道路となっている。
②極長「セン無50規制」
当サイトでは、セン無50規制区間が連続して3km以上続く事を「極長」に分類する基準としている。
これだけ長距離に亘って続くのはもはや確信犯であり、私にとっては非常に美味しいネタとなる。
③「追越し禁止」+「セン無50規制」
「追越し禁止」規制自体が珍しいのに、そこに「セン無50規制」が加わると更にレア化する。
だが、セン無50規制区間における「追越し禁止」の出現率は意外と高かったりする。
両方に共通するのは、ある程度車通りが多く、比較的グレードの高い道(県道、有力な抜け道など)という所だろうか。
④集落内の「セン無50規制」
これが、日本に数あるセン無50規制道路の中でも、最も誕生理由が謎なパターンである。日本広しと言えど、この事例は殆ど確認されていない。
集落内で極端に狭くなる前に30km/h規制に変わっているのが常だが、狭いだけでなく集落内で露骨に急カーブをするツワモノも登場している。
とにかく謎。私にとっては、見つけると感動モノとなる最上のネタである。
⑤日本一「セン無50規制」区間が多い道路
例えば、50km/h規制の一本の道路があったとする。その道路に、中央線が途切れて狭くなる地点が3箇所あったとすると、その道路には合わせて3つの「セン無50規制」区間があったとカウントする。
それでは、セン無50規制区間が「一本の道路に最も多く含まれる」道路は日本のどこにあるだろうか。その答えと思われる道路が、長崎県は平戸島を走る国道383号線である。
一見して地方部を走る普通の田舎道だが、当たり前のように何度もセンターラインが途切れるあたり普通ではない。
下の地図に示した21.4kmの区間に、合計24箇所もの「セン無50規制」区間が存在する。長崎県に存在するセン無50規制のほぼ全てが、この道一本に集約されていると考えると凄い。
現時点で、1本の道路に10区間を超えるセン無50規制区間を含む道路はこの道の他に確認されていない。 -
5. 都道府県別「セン無50規制」の現存状況
(2020/06/01時点における把握分)
下線の付いた都道府県の欄をクリックすると、その都道府県のセン無50規制レポートがご覧いただけます。
※新たなる発見により現存数が増える場合や、拡幅や制限速度変更等により現存数が減る場合があり、稀に数値が変動する事がございます。
公開済み都道府県:北海道
【凡例】 数値:現存数(未確認分を除く)、-:未現存または未探索、□:未集計(確認済みのセン無50規制道路があるがカウントしていない)
縦横にスクロールできます都道府県名 長(1km~) 中(200~999m) 短(~199m) 都道府県名 長(1km~) 中(200~999m) 短(~199m) 北海道 1 - 1 滋賀県 - 1 - 青森県 - 2 - 京都府 - - 1 岩手県 - - - 大阪府 - - - 宮城県 - - - 兵庫県 - 1 - 秋田県 □ □ □ 奈良県 - 2 - 山形県 - - - 和歌山県 - 1 - 福島県 □ □ □ 鳥取県 - - 1 茨城県 □ □ □ 島根県 - - 1 栃木県 □ □ □ 岡山県 - - 2 群馬県 - - - 広島県 - 1 1 埼玉県 - - - 山口県 □ □ □ 千葉県 - 1 3 徳島県 □ □ □ 東京都 - - - 香川県 - - - 神奈川県 - 1 - 愛媛県 - - - 新潟県 - 1 - 高知県 □ □ □ 富山県 - 1 - 福岡県 - 1 1 石川県 - - - 佐賀県 □ □ □ 福井県 2 - - 長崎県 □ □ □ 山梨県 - - 1 熊本県 - - 1 長野県 □ □ □ 大分県 - - - 岐阜県 □ □ □ 宮崎県 - - 1 静岡県 2 3 2 鹿児島県 - - 1 愛知県 - - 1 沖縄県 - - - 三重県 - 3 - 合計 □ □ □
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